Classici giapponesi con furigana
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やぎゅうつきかげしょう
柳生月影抄 名作短編集(二)
吉川 英治
Leggi 柳生月影抄 名作短編集(二) (やぎゅうつきかげしょう) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 173.309 caratteri · 352 schermate
それに柳生家は、剣の家です。醜い葛藤や術策や政争の中に、可惜、老後の晩節を台なしに遊ばしてしまわぬよう――十兵衛はそれを祈りまする」
「分っておる。だが、一身を顧みておられぬ場合だ」
「お父上が当らなければ、誰かが出て、難局に当りましょう。優れた剣人は、一世にそう何人も出るものではないが、なあに、大目付ぐらいやる政道家は、箕で掃くほど代りがあります。よい加減に、御退役なされてはどうですか」
「それができるくらいなら」
「なぜできませぬか。お父上こそは、祖父石舟斎宗厳から、新陰の極秘と柳生の正統を、並び授けられて大成なされた――唯一無二の現今の剣宗ではござりませぬか。将軍家に仕える道も、それを以てなされば、それ以上の御奉公はない筈と存じますが」
「いや、そちのいうのは、小乗の剣だ。柳生流はそうでない。わしが十三歳の頃、父の石舟斎宗厳に手を曳かれ、初めて陣中で家康公に拝謁した時、父の石舟斎は家康公の問に答え――柳生流は大乗の剣をもって本旨とするとお答えなされた」
「大乗小乗も臨機でございましょう。諸流百派、剣は皆一道と心得ますが」
「が、柳生流の極意は、無刀だということを、そちももう悟っておろうが。