Classici giapponesi con furigana
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しぶえちゅうさい
渋江抽斎
Leggi 渋江抽斎 (しぶえちゅうさい) di Mori Ōgai (森 鴎外) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 166.525 caratteri · 334 schermate
その五
わたくしは直接に渋江氏と交ったらしいという飯田巽さんを、先ず訪ねようと思って、唐突ではあったが、飯田さんの西江戸川町の邸へ往った。飯田さんは素と宮内省の官吏で、今某会社の監査役をしているのだそうである。西江戸川町の大きい邸はすぐに知れた。わたくしは誰の紹介をも求めずに往ったのに、飯田さんは快く引見して、わたくしの問に答えた。飯田さんは渋江道純を識っていた。それは飯田さんの親戚に医者があって、その人が何か医学上にむずかしい事があると、渋江に問いに往くことになっていたからである。道純は本所御台所町に住んでいた。しかし子孫はどうなったか知らぬというのである。
その五
わたくしは飯田さんの口から始めて道純という名を聞いた。これは『経籍訪古志』の序に署してある名である。しかし道純が抽斎と号したかどうだか飯田さんは知らなかった。
切角道純を識っていた人に会ったのに、子孫のいるかいないかもわからず、墓所を問うたつきをも得ぬのを遺憾に思って、わたくしは暇乞をしようとした。その時飯田さんが、「ちょいとお待下さい、念のために妻にきいて見ますから」といった。
細君が席に呼び入れられた。