Classici giapponesi con furigana
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とらのきば
虎の牙/透明怪人
江戸川 乱歩
Leggi 虎の牙/透明怪人 (とらのきば) di 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) in giapponese con furigana. JLPT N3. Tocca una parola per il significato.
N3 · intermedio · kanji e kana moderni · 193.761 caratteri · 388 schermate
」
警部補がたずねますと、ひとりが答えました。
「ハア、あやしいやつは通りませんでした。」
「ここから出入りしたものは、ひとりもなかっただろうね。」
「ずっとまえに、明智さんの少年助手と、四人の子どもが出て行きました。それから、ついいましがた、明智さんがひとりで出て行かれました。」
「えッ、明智さんが? 明智さんはここにいらっしゃるが、この明智さんが、ここから出て行かれたのかね。」
「ハア、そうです。その明智さんです。ちょっと急用ができたからと言って、大いそぎで、門の外へ出て行かれました。」
これを聞くと、明智探偵はツカツカと、その警官の前に、すすみ出ました。
「その男は、どこかぼくと、ちがってはいなかったかね。」
そして、よく顔が見えるように、月の光のほうを向いて、警官の鼻の先に、近づくのでした。
警官はこまったような顔をして、モジモジしました。
「あなたではなかったのでしょうか。ほんとうに、そっくりだったのですが。」
「ぼくじゃない。怪人二十面相はぼくに化けるのが、とくいなんだよ。」
「えッ、それでは、あいつが……。」
警官たちのあいだに、ただならぬざわめきがおこりました。