Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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とらのきば

虎の牙/透明怪人

江戸川 乱歩

Leggi 虎の牙/透明怪人 (とらのきば) di 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) in giapponese con furigana. JLPT N3. Tocca una parola per il significato.

N3 · intermedio · kanji e kana moderni · 193.761 caratteri · 388 schermate

Aozora Bunko

深夜の怪事件

花田君は、からだがしびれてしまって、身うごきはおろか、声をたてることもできません。ただ、ランランと光る虎の目を、まるで釘づけになったように、ジーッと見つめているばかりです。

深夜の怪事件

一メートルほどの近さで、おそろしい虎と花田少年とは、まるで、にらめっこでもしているように、ながいあいだ、ジッと目を見あわせていました。

すると、じつにへんなことがおこったのです。

花田君は、あとになって思いだしてみても、どうしてあんな気持ちになったのか、すこしもわかりません。まるで、漫画映画のスクリーンの中へ、自分のからだがスーッと、はいって行って、自分も漫画の中の人になったような気持ちでした。

窓の外の虎が、口をきいたわけではないのですが、口をきいているのとおなじように、虎の考えていることが、花田君の心に、はいって来たのです。

「わしは、きみを、これからおもしろいところへ、つれて行ってやる。さあ、この窓をあけて、出て来たまえ。」

虎がそう言っているように、ハッキリ感じられたのです。花田君は、それでも、窓のガラス戸をひらこうなどとは思わなかったのに、何か、どうすることもできない力が、花田君の手を、ひとりでに動かして、いつのまにか、ガラス戸をひらいていました。