Classici giapponesi con furigana
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とらのきば
虎の牙/透明怪人
江戸川 乱歩
Leggi 虎の牙/透明怪人 (とらのきば) di 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) in giapponese con furigana. JLPT N3. Tocca una parola per il significato.
N3 · intermedio · kanji e kana moderni · 193.761 caratteri · 388 schermate
小林少年
血の流れているすぐそばに、一本の大きなマツの木があります。そのマツの幹の、地面から一メートルばかりのところに、ひどい傷がついているのです。十五センチ四方ほど木の皮がめくれ、白い木はだがあらわれて、それがおそろしいササクレになっています。
オノやなんかで、つけた傷ではありません。何か大きな歯車のようなもので、ムチャクチャに引っかいたというような、見るもむざんな傷あとです。
読者諸君、このマツの木の傷あとには、身の毛もよだつ秘密がかくされていたのです。それが、どんなおそろしい秘密であったかは、しばらくだれにもわかりません。勇一君のおとうさんも、まさかそこまでは考えおよびませんでした。
小林少年
このぶきみな出来事と、勇一君の近くに魔法博士がひっこしてきたことと、なにか関係があるのでしょうか。あるのかもしれません。ないのかもしれません。それは、もっとあとにならなければ、わからないのです。
さて、魔法博士にはじめてあった、あの日曜日から六日のちの土曜日のことでした。勇一君は、学校の帰りに、ただひとり、わざわざまわり道をして、魔法博士の洋館の前を通りかかりました。