Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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とらのきば

虎の牙/透明怪人

江戸川 乱歩

Leggi 虎の牙/透明怪人 (とらのきば) di 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) in giapponese con furigana. JLPT N3. Tocca una parola per il significato.

N3 · intermedio · kanji e kana moderni · 193.761 caratteri · 388 schermate

Aozora Bunko

そういうもうしあわせだったのです。それで、小林君は、明智先生とそっくりのやつが、飛びだしてきた町角を、じっと見つめていました。

すると、その町角の、月かげになった軒下をつたって、チョロチョロと、リスのようにかけだしてくる、小さな人間の影が、かすかに見えました。三人です。たしかに明智先生に化けたやつを尾行しているのです。

小林君はそれを見て、いよいよこいつは、二十面相にちがいないと思いました。それで、となりの運転手にあいずをして、グッと心をおちつけるようにして、待ちかまえていました。

明智先生とそっくりのやつは、自動車のそばまでやってくると、「東京まで行けるか。」と声をかけました。声まで明智先生ににているのです。運転手が、行ってもいいと答えますと、その男は、いきなりドアをひらいて、客席に飛びこみました。そして、「全速力でやってくれ。」とどなりました。

小林君は、自転車がすべりだした時、左手の窓ガラスを、指のつめで、コツコツ、コツコツコツ、コツとたたきました。これは明智先生と約束してある暗号通信でした。もし、あいてが明智先生だったら、この暗号にたいして、コツ、コツコツと返事をしてくれるはずです。