Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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とらのきば

虎の牙/透明怪人

江戸川 乱歩

Leggi 虎の牙/透明怪人 (とらのきば) di 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) in giapponese con furigana. JLPT N3. Tocca una parola per il significato.

N3 · intermedio · kanji e kana moderni · 193.761 caratteri · 388 schermate

Aozora Bunko

そんなふうに人が集まって、うわさをしているすぐそばに、あの空気男が、ニヤニヤ笑いながら、立ち聞きしているかもしれないのです。

東京じゅうの宝石商が、ガラスだなやショーウィンドーに錠まえをとりつけました。美術店や骨董屋のショーウィンドーには、高価な品物が見えなくなりました。みんなどこかへ、かくしてしまったのです。

いちばんこまったのは、銀行でした。目に見えないやつが、いつはいってくるか、わからないからです。そして、現金出納係の机の上においてある、さつたばを、スーッと持っていかれるかもしれないからです。千円さつで百万円ぐらいは、片手で持てるほどの大きさです。空気男が両手でかかえたら、何千万円だって、持ってゆけるのです。

しかし、あの新聞記事が出てから、一週間ほどは、何ごともなく、すぎさりました。人々は「あれはうそだったのじゃないか。」と考えるようになりました。「いくらなんでも、空気のようにすきとおった人間なんて、あるはずがない。東洋新聞の記者や、あのふたりの少年は、キツネにでも、化かされたのだろう。そうでなければ、新聞の読者をふやすために、でたらめを書いたのだろう。