Classici giapponesi con furigana
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とらのきば
虎の牙/透明怪人
江戸川 乱歩
Leggi 虎の牙/透明怪人 (とらのきば) di 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) in giapponese con furigana. JLPT N3. Tocca una parola per il significato.
N3 · intermedio · kanji e kana moderni · 193.761 caratteri · 388 schermate
いくら、ふみこたえようとしても、老人のほうが力がつよいので、ズルズルと、ひっぱられるばかりです。
ギーッと音がして、板のドアがひらかれ、パッと赤い光がさしてきました。そこにもローソクが立っていたのです。テーブルとイスが二つ、そのほかには、なんのかざりもない小部屋です。かべはコンクリートで、できています。
「ここではない。まだおくに、ひみつの部屋があるのだよ。」
老人は大友君の手をにぎったまま、一方の手をのばして、かべのどこかを、おしました。すると、そこに、ひみつのおしボタンでもあったのか、一方のコンクリートのかべが、音もたてないで、スーッと動きだし、そこに、人の通れるほどの、すきまができました。かべのように見えていたのが、じつは、厚いコンクリートのドアだったのです。
老人に手をひかれて、そのすきまを、はいると、コンクリートのかべは、もとのとおりに、しまっていました。そこは、まっくらなトンネルのようなところです。そのトンネルを十メートルほど、すすむと、老人はまた、かべのボタンをおしたらしく、正面のドアがスーッとひらいて、そのむこうから、明るい光がさしてきました。