Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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とらのきば

虎の牙/透明怪人

江戸川 乱歩

Leggi 虎の牙/透明怪人 (とらのきば) di 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) in giapponese con furigana. JLPT N3. Tocca una parola per il significato.

N3 · intermedio · kanji e kana moderni · 193.761 caratteri · 388 schermate

Aozora Bunko

透明妖怪

つぎには、きみの悪い、おそろしいほうの出来事をしるします。

透明妖怪

勇一君は、その日の晩ごはんの時に、魔法博士のことを、おとうさんに話しましたが、おとうさんは、

「フーン、そんなへんな人が、あのうちへこして来たのかねえ。むろん奇術師だよ。バットやミットなんかは、そのダブダブのマントの中にかくしていたのさ。それが奇術の力で空中から取りだすように、見えたんだよ。おとうさんも、いつかその人と近づきになりたいもんだね。ひょっとしたら、有名な奇術師かもしれない。」

と興味ありげにおっしゃるのでした。

「ぼく、そのふしぎの国っていうのが、見たくてしょうがないのですよ。」

「ウン、おとうさんも見たいね。奇術師のことだから、どうせ、うちの中に、いろんなしかけがしてあって、まるで童話の国へでも行ったような気がするにちがいない。」

おとうさんも同意してくださったので、勇一君はいっそううれしくなり、それからというものは魔法博士のことばかり考えていましたが、どうしたわけか、その後、博士はいっこうに姿をあらわしません。待ちどおしくなって、あの古いレンガづくりの洋館の前へ、なんども行ってみましたが、いつも門の鉄の戸がピッタリしまっていて、まるで空家のように、シーンとしているのでした。