Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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とらのきば

虎の牙/透明怪人

江戸川 乱歩

Leggi 虎の牙/透明怪人 (とらのきば) di 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) in giapponese con furigana. JLPT N3. Tocca una parola per il significato.

N3 · intermedio · kanji e kana moderni · 193.761 caratteri · 388 schermate

Aozora Bunko

あの赤レンガの洋館から天野勇一君や、白くぬった広間や、サンタクロースのおじいさんや、それから、虎のはいった檻までも、たった一時間のあいだに、かき消すように、見えなくなってしまったなんて、まるで夢のような話です。先生、奇術の力で、こんなことができるのでしょうか。」

「それは、できないことはない。しかし、奇術には種がある。よくそんな種が、手にはいったものだと、ぼくはつくづく感心しているんだよ。」

「えッ、それじゃあ先生には、おわかりなんですか。勇一君なんかの消えた訳が、おわかりなんですか。」

「おおかた、想像がついているよ。いまにきみにもわかる。きっとわかる時がくる。それからね、きみは、まだすこしも気づいていないようだが、もっと大切なことがあるんだよ。」

明智探偵はニッコリ笑って「もっとこちらへ。」というあいずをしました。小林君が、その意味をさっして、リンゴのような頬を、ベッドの上の先生の顔のそばへもって行きますと、明智は、その耳たぶに口をよせて、何かささやきました。

それを聞くと、小林君の目がびっくりするほど大きく見ひらかれ、サッと顔の色がかわりました。