Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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とらのきば

虎の牙/透明怪人

江戸川 乱歩

Leggi 虎の牙/透明怪人 (とらのきば) di 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) in giapponese con furigana. JLPT N3. Tocca una parola per il significato.

N3 · intermedio · kanji e kana moderni · 193.761 caratteri · 388 schermate

Aozora Bunko

やがて、紙しばいがおしまいになると、じいさんは、ガクブチの中から、絵の紙をぜんぶ取りはずして、きたないふろしきにつつみ、ポケットから一枚の千円さつを出して、自動車のそばにしゃがんでいた、若い男につかませました。

「やあ、ありがとう。それじゃあ、これがお礼だ。またこんど、やらしてもらうよ。わしはこれが、やまいでね、ときどき紙しばいをやらないと、めしがうまくない。アハハハ……、じゃあ、さようなら。」

そう言いすてて、じいさんは、ふろしきづつみをこわきにかかえ、ヒョコンヒョコンと、みょうなかっこうで、向こうへ歩いて行きます。いま、千円さつをもらった若い男が、ほんとうの紙しばい屋で、じいさんは、ちょっとそのガクブチをかりて、自分の持って来た絵を、子どもたちに見せたというわけです。いよいよあやしいやつです。小林君は、言うまでもなく、じいさんのあとを尾行しました。

ああ、あぶない、怪老人は、小林君をさそいだすために、わざと明智探偵事務所のそばで、あんな紙しばいをやっていたのではないでしょうか。尾行なんかすれば、敵の思うつぼに、はまるのではないでしょうか。

しかし、小林君は、何を考えるひまもありません。