Classici giapponesi con furigana
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きゅうけつき
吸血鬼
江戸川 乱歩
Leggi 吸血鬼 (きゅうけつき) di 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 190.554 caratteri · 381 schermate
僅の窓から這入る、乏しい光線が、複雑な陰影を作り、下手は下手ながら、一種化物屋敷めいた妙に不気味な感じを与えた。
それにしても、こんなべら棒な代物を、真面目に買いに来るというのは、どう考えても変であった。第一、こんな子供のいたずらみたいな、不細工な石膏の塊に、二百円だって勿体ないことだ。
「その買いに来た商人というのは、一体どんな男ですか」
明智が尋ねると、家主の親爺は顔をしかめて見せて、
「それがね、どうも変な奴でね。わたしも、なるべくなれば、あなた方に買って頂き度いと思うのですよ」
「変な奴というと?」
「ひどい片輪者でね、手も足も片方ずつ不自由で、目が悪いのか、大きな黒眼鏡をかけ、その上、鼻と口はマスクで隠しているのですよ。言葉がひどく曖昧で、鼻へ抜ける所を見ると、鼻欠けさんかも知れやしません」
それを聞くと、こちらの二人は、思わず顔を見合わせた。例の唇のない怪物にソックリなのだ。だが、あいつはなぜ、こんなつまらない石膏像を、それ程欲しがっているのであろう。何か深い仔細がなくてはかなわぬ。
明智の口辺から微笑が消えた。
彼の機智が烈しく活動し始めたしるしだ。