Classici giapponesi con furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠1
中里 介山
Leggi 大菩薩峠1 (だいぼさつとうげ) di 中里 介山 (なかざとかいざん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 200.314 caratteri · 398 schermate
「待てというに待たぬか」
七兵衛は足が早い、それを弱味があって逃げ出すものと認めたらしく、内山は丹後守から預かって来た「引落し式」の拳銃を七兵衛のうしろから差向けて、威すつもりで切って放した弾丸が、七兵衛の右の頬のわきおよそ一尺ぐらいのところを風を切って通ります。
「何をなさいます」
これには七兵衛も驚いた、いくら七兵衛が足が早いとても、鉄砲の玉にはかなわない。足をとどめて振返る途端に左手の林の中へ飛び込みました。
馬上の両人は弾丸に驚いた七兵衛が、立竦んでしまうだろうと予期していたところを、彼は驚くべき敏捷さで林の中へ身を投げ込んでしまったから、
「おのれ、曲者!」
二発、三発、例の拳銃を林の中へ打ち込んで、馬から飛び下りて探してみたが、もう七兵衛の姿は見えない。
十八
ここは針ヶ別所というところの山の奥の奥。谷合の洞穴へ杉の皮を葺き出して、鹿の飲むほどな谷の流れを前にした山中の小舎。
無論、ここまで来てみれば、小舎も流れも、どこからも見えはしない、ここまで来るのでさえ道というものはついていない。
今、その中で人の話し声がする。いかに大きな声をしたからとて山の上まで響くはずがない。