Classici giapponesi con furigana
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ゆうれいとう
幽霊塔
黒岩 涙香
Leggi 幽霊塔 (ゆうれいとう) di 黒岩 涙香 (くろいわるいこう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 266.479 caratteri · 532 schermate
第五十九回 次の間の住者
様に思われた。併し此等よりも猶余の心を惹く一物は寝台の枕の方に当たる壁に、大きく貼り附けてある異様な絵姿である、イヤ其の絵姿の眼である。
第五十九回 次の間の住者
絵姿は余り古くもなく勿論見事でもない。多分は名もない絵工が内職に描いたのであろう。併し大きさは絵絹が勿体ないほど大きい、姿は女の立った所である、何も別に取り所とてはないが、唯其の眼が、真成に生きた様な光を発し、余を瞰下して居る様に見える、顔にも容にも生気はないが眼だけには実に異様な不似合な生気が有る、画の眼とは思われぬ。
余が今の境遇は、知りもせぬ女の画姿などに気を留めて居るべきでない、夫だのに何となく其の眼だけが気に掛かる、扨は余が未だ寝呆けて居るのか知らんと自分ながら怪しんで自分の目を擦って見た。爾して再び頭を上げて見直したが、是は何うだ、画姿の眼の生気は全く失せて居る、何の意味も何の光もなく、矢張り画相応に無趣味無筆力の眼である、余は何うしても合点が行かぬ、或いは寝呆けて見誤ったのかも知れぬが、併し此の画像の眼に何等かの曰くがあるに違いない、決して自分の見損いとのみは思えぬ。