Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ひがんすぎまで

彼岸過迄

夏目 漱石

Leggi 彼岸過迄 (ひがんすぎまで) di Natsume Sōseki (夏目 漱石) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 195.333 caratteri · 385 schermate

Aozora Bunko

こう申しちゃおかしいが、あなたより十層倍の経験はたしかに積んでるつもりです。それでいて、いまだにこの通り解脱ができないのは、全く無学すなわち学がないからです。もっとも教育があっちゃ、こうむやみやたらと変化する訳にも行かないようなもんかも知れませんよ」

敬太郎はさっきから気の毒なる先覚者とでも云ったように相手を考えて、その云う事に相応の注意を払って聞いていたが、なまじい酒を飲ましたためか、今日はいつもより気※(「陷のつくり+炎」、第3水準1-87-64)だの愚痴だのが多くって、例のように純粋の興味が湧かないのを残念に思った。好い加減に酒を切り上げて見たが、やっぱり物足らなかった。それで新らしく入れた茶を勧めながら、

「あなたの経歴談はいつ聞いても面白い。そればかりでなく、僕のような世間見ずは、御話を伺うたんびに利益を得ると思って感謝しているんだが、あなたが今までやって来た生活のうちで、最も愉快だったのは何ですか」と聞いて見た。森本は熱い茶を吹き吹き、少し充血した眼を二三度ぱちつかせて黙っていた。やがて深い湯呑を干してしまうとこう云った。

「そうですね。