Classici giapponesi con furigana
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ひがんすぎまで
彼岸過迄
Leggi 彼岸過迄 (ひがんすぎまで) di Natsume Sōseki (夏目 漱石) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 195.333 caratteri · 385 schermate
僕は人に説明するためにそう信じているのでないから。僕はかつて文学好のある友達からダヌンチオと一少女の話を聞いた事がある。ダヌンチオというのは今の以太利で一番有名な小説家だそうだから、僕の友達の主意は無論彼の勢力を僕に紹介するつもりだったのだろうが、僕にはそこへ引合に出された少女の方が彼よりも遥かに興味が多かった。その話はこうである。――
ある時ダヌンチオが招待を受けてある会合の席へ出た。文学者を国家の装飾のようにもてはやす西洋の事だから、ダヌンチオはその席に群がるすべての人から多大の尊敬と愛嬌をもって偉人のごとく取扱かわれた。彼が満堂の注意を一身に集めて、衆人の間をあちこち徘徊しているうち、どういう機会か自分の手巾を足の下へ落した。混雑の際と見えて、彼は固より、傍のものもいっこうそれに気がつかずにいた。するとまだ年の若い美くしい女が一人その手巾を床の上から取り上げて、ダヌンチオの前へ持って来た。彼女はそれをダヌンチオに渡すつもりで、これはあなたのでしょうと聞いた。ダヌンチオはありがとうと答えたが、女の美くしい器量に対してちょっと愛嬌が必要になったと見えて、「あなたのにして持っていらっしゃい、進上しますから」