Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
ひがんすぎまで
彼岸過迄
Leggi 彼岸過迄 (ひがんすぎまで) di Natsume Sōseki (夏目 漱石) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 195.333 caratteri · 385 schermate
僕はこの秘密に風を入れたところで、彼ら母子の間柄が悪くなろうとは夢にも想像し得なかったからである。
市蔵の太陽は彼の生れた日からすでに曇っていたという僕の言葉の裏に、どんな事実が含まれているかは、彼と交りの深い君の耳で聞いたら、すでに具体的な響となって解っているかも知れない。一口でいうと、彼らは本当の母子ではないのである。なお誤解のないように一言つけ加えると、本当の母子よりも遥かに仲の好い継母と継子なのである。彼らは血を分けて始めて成立する通俗な親子関係を軽蔑しても差支ないくらい、情愛の糸で離れられないように、自然からしっかり括りつけられている。どんな魔の振る斧の刃でもこの糸を絶ち切る訳に行かないのだから、どんな秘密を打ち明けても怖がる必要はさらにないのである。それだのに姉は非常に恐れていた。市蔵も非常に恐れていた。姉は秘密を手に握ったまま、市蔵は秘密を手に握らせられるだろうと待ち受けたまま、二人して非常に恐れていた。僕はとうとう彼の恐れるものの正体を取り出して、彼の前に他意なく並べてやったのである。
僕はその時の問答を一々くり返して今君に告げる勇気に乏しい。