Classici giapponesi con furigana
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ひがんすぎまで
彼岸過迄
Leggi 彼岸過迄 (ひがんすぎまで) di Natsume Sōseki (夏目 漱石) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 195.333 caratteri · 385 schermate
十二
眉毛の濃い、時々八の字を寄せて人に物を云う癖のある」といったような言葉をぽつぽつ頭の中で憶い起しながら、加留多と書いた傘の所有主を注意した。すると女はやがて電車を下りて雨の中に消えて行った。後に残った敬太郎は一人森本の顔や様子を心に描きつつ、運命が今彼をどこに連れ去ったろうかと考え考え下宿へ帰った。そうして自分の机の上に差出人の名前の書いてない一封の手紙を見出した。
十二
好奇心に駆られた敬太郎は破るようにこの無名氏の書信を披いて見た。すると西洋罫紙の第一行目に、親愛なる田川君として下に森本よりとあるのが何より先に眼に入った。敬太郎はすぐまた封筒を取り上げた。彼は視線の角度を幾通りにも変えて、そこに消印の文字を読もうと力めたが、肉が薄いのでどうしても判断がつかなかった。やむを得ず再び本文に立ち帰って、まずそれから片づける事にした。本文にはこうあった。
「突然消えたんで定めて驚ろいたでしょう。あなたは驚ろかないにしても、雷獣とそうしてズク(森本は平生下宿の主人夫婦を、雷獣とそうしてズクと呼んでいた。ズクは耳ズクの略である)彼ら両人は驚ろいたに違ない。打ち明けた御話をすると、実は少し下宿代を滞おらしていたので、話をしたら雷獣とそうしてズクが面倒をいうだろうと思って、わざと断らずに、自由行動を取りました。