Classici giapponesi con furigana
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こきょうしちじゅうねん
故郷七十年
柳田 国男
Leggi 故郷七十年 (こきょうしちじゅうねん) di 柳田 国男 (やなぎたくにお) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 257.350 caratteri · 507 schermate
東京にいる石合という学者が、どういう知り合いか、小川家に新しい雑誌ばかり送ってよこしたものらしい。
それが見たいために、小川さんを訪ねてゆき、傷をして退屈している小父さんの読み役をつとめていた。おそらくは上方訛で読んだろうと思うが、自分も楽しみ、小父さんも喜ばせたものだった。いちばん私の頭に残っているのが硯友社の『我楽多文庫』であった。今日では珍本といっているものを、出た当座読んでいたのであった。中には今考えて、本当に読まなければよかったというくらいに馬鹿げたことも書いてあったのを思い出す。あの時分はやっと坪内逍遙さんの『書生気質』が世の中に認められはじめたころだが、『小説神髄』などは見ていなかった。
もっと愉快なことには、一方ではいちばん新しいはしりの文学に触れたと同時に、一方では非常に旧式なものも読んでいたのである。兄貴の家には代診と薬局の書生たちがいたが、その連中のとっていた雑誌は硯友社とは反対の側のもので、一つは『浮世雑誌』とかいった悪いことばかり書いてあったものと、今一つは『親釜集』といって、都々逸の流行に乗じて皆がその競争をする雑誌であった。