Classici giapponesi con furigana
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うきふね
文豪怪談傑作選・特別篇 鏡花百物語集
泉 鏡花
Leggi 文豪怪談傑作選・特別篇 鏡花百物語集 (うきふね) di 泉 鏡花 (いずみきょうか) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 32.938 caratteri · 67 schermate
」
幹事は、世情に通じて、ものの分った人である。
「ああ、よくお留め下さいました。――決してこの蒲団はまくりますまい。――が、何か、貴方、お気になさる事があるんですか。」
「さあ、いいえ。」
「が、それでも。」
「戒名に、一寸似たのがあるんでしてね。」
「いや、それは。それならお気になさいますな、なさらぬが可うございます。この宗門の戒名には、おなじのがふんだんですよ。……特に女のは、こう云う処で申しては如何だけれど、現に私の家内の母と祖母とは戒名がおなじです。坊さん何を慌てたんだか、おまけにそれが、……式亭三馬の浮世床の中にあります。八百屋のお柚の(釈縁応信女。)――喧嘩にもならず、こまっちまいます。」
寂しい声だが、二人で笑った。
「さ、その気であちらへ参りましょうか。」
「いずれ悉しいお話を。」
「あ、蚊帳から何か出ましたかね。」
真三はゾッとした。が、何にも見えない。
「……小さな影法師のようなものが。」
「私たちの影でしょう。」
と、行燈の左右に立って、思わず四辺がわされた。
「槙さん。」
「は、」
「あなたは、おはぐろの煮える音は御存じでありますまいね。お互に時代が違いますが、何ですか、それ、じ、じ、じ……」