Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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しん・すいこでん

新・水滸伝

吉川 英治

Leggi 新・水滸伝 (しん・すいこでん) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 684.899 caratteri · 1374 schermate

Aozora Bunko

そのうえ彼らの逃げまどう先々もまた、いたるところ、野火の焔と化している。

暁もまたず、大小の捕盗船はことごとく覆没し、あわれむべし、この夜助かった捕兵といったら、そも、幾人あったろう。――やがて夜は白み、水のおもての狭霧には、まだ黄いろい余煙が低く這い、異様な鳥声が、今朝は劈くように啼き響く。

「どうだ何濤。ちったあ懲りたか」

「さあ、こんどは、てめえの番だぞ」

「首の座となってから、泥亀みてえに手を合せたって追いつくもんか。きれいに往生しやあがれ」

阮の三兄弟は、ゆうべの小舟の舟底から、簀巻の何濤を引っぱり出して、岸の上にひきすえていた。

やや離れたところに腰かけて、ニヤニヤ笑って見ているのは、公孫勝と晁蓋だった。――晁蓋はほとんど蔭の指揮だけをして、ゆうべの修羅場には腰の一刀も抜いてはいない。

「おい、三兄弟――」と、その晁蓋は、頃あいをみて言いだした。

「やっちまう気か。よせよせ。そんな奴、斬ッたところで、何になるものか。それよりは、押ッ放してやれよ」

「えっ、助けてやれと仰っしゃるんですか。そんなお慈悲は、済州の百姓町人にとっちゃ、かえって恨まれもんですぜ」