Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
しんせい
新生
島崎 藤村
Leggi 新生 (しんせい) di 島崎 藤村 (しまざきとうそん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 334.815 caratteri · 663 schermate
男はそこへ行くと大ざッぱだが、女の人は細いから。節ちゃんも居にくいようなことが有りゃしないかと思って、俺は心配して遣るよ」
「それは節ちゃんも心配していましたよ」
「まあ書籍を上げるのは見合せよう。しばらく俺の方へ預かって置こう」
「でも、私はそう言伝かって来たんですもの」
「いや、節ちゃんにそう言っておくれ。しっかり台湾の伯母さんのお手伝いをしておくれッて」
こんな話をしているうちに、長いこと掛って自分の養い育てたものを根こそぎ持って行かれてしまうような悲哀が強い力で岸本の心を圧して来た。
「ああああ――こんなに親戚があっても、俺の心を汲んでくれるような人は居ないのか」
と言いながら岸本は起って行って茶道具を持って来た。
「しかし、無理もないねえ。俺が何をして来たのか、どういう心持で居るのか、親戚は知らないんだからねえ――」と復た岸本は言って、熱い茶を輝子に振舞いながら言葉を継いだ。「仮令俺が何を書こうと、捨吉がこんな寝言を書いたかぐらいに思われれば、それまでだねえ。そうさなあ、俺の心を汲んで貰えそうな人は、お前の旦那さんと田辺の弘さんとだ。お前に俺の心持は解らなくても、お前の旦那さんは解ってくれるだろうと思うよ――」