Classici giapponesi con furigana
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ばいりせんせいぎょうじょうき
梅里先生行状記
吉川 英治
Leggi 梅里先生行状記 (ばいりせんせいぎょうじょうき) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 209.260 caratteri · 418 schermate
「……ええ、日蓮さまも、ずいぶんご苦労なさいましたからね」
「秀吉は、もう白骨のひとだが、逆境の若い者が、秀吉の幼少や少年のときを胸に呼び起せば、逆境何ものだという気をふるい出されよう。……どんな貧家に生れたものでも、自分をだめだと思い捨てるまえに、秀吉ほどではなくても、将来の夢を持とうという気になるだろう」
「てまえも小さいとき、うちは貧乏だし、体はよわいし、死のうと思ったことなんかありましたが……そんなときには、誰か、自分を力づけてくれるものをさがしますね、いまの人よりも古い人のなかに」
「生きているひとなら力になりそうなものだが世事雑多だ。生きている同士はかえって、ほんの心の友にも力にもなれない。――そこへゆくと、古人にそれを求めれば古人はいつでもわが師となってくれる、わが友ともなってくれる」
「だから、古人は、生きているといえるわけで」
「いやいやまだ理由がある。――国に国難がおこれば、元寇の折の時宗が世人の胸によみがえって来よう。また、浮華軽佻な時代のあとには、人はおのずから静思を求めて、遠い弘法をしたい、親鸞をおもい、道元のあとをさがすのだ――飢饉となれば、無名な篤農家の業績をあらためて見直したり、国がみだれれば忠臣の生涯をおのれにかえりみ、ひとに呼びかけあう――といったふうに」