Classici giapponesi con furigana
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いきふどう
橘外男ワンダーランド 怪談・怪奇篇
橘 外男
Leggi 橘外男ワンダーランド 怪談・怪奇篇 (いきふどう) di 橘 外男 (たちばなそとお) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 198.400 caratteri · 387 schermate
が、さて、
「それではだんなさま、どうぞごゆるりと……」
と小腰をかがめて坂をおりていったお幾が、やがて坂の下に立ちどまって、将監のうしろすがたをながめながら、すごい目をしてニヤリと薄笑みをもらしたことも、またその提灯の火が、お小姓街道のなかほどあたりまでもいくと、暗々の闇のなかにフッとかききえてしまったことも、神ならぬ身の将監たちには、いささかの気もつかなかったであろうと思われます。
そしてそのころには、ふるえている仲八や権六どもに柄物をかまえさせて、老母のにげだしてきそうな要所要所に身をひそめさせ、そしてじぶんは佐平治ひとりをつれて、奥庭ふかく、ちょうど老母のやすんでいる寝所ちかくの縁側のそばで、しきりに佐平治に指図をしているまっさいちゅうだったのです。
「よろしいか! わしの見るところではこの縁の下の奥のほう……左のほうへよって曲者のねている真下あたりがあやしいとにらんでいる。そのへんの土が、かならずやわらかくなってるにちがいない。わしの老母をくいころして、そこに骨をうめているにちがいあるまい。そうっと掘りおこしてみよ。曲者に気づかれぬよう音をたてるなよ! 手で掘りおこしてみよ、手で!」