Classici giapponesi con furigana
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じろうものがたり
次郎物語
下村 湖人
Leggi 次郎物語 (じろうものがたり) di 下村 湖人 (しもむらこじん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 159.223 caratteri · 320 schermate
「放っとけよ。つまんない。」
彼は、恭一がおりおり友達にいじめられるのを知っていた。それを彼は別に気味がいいとも思わなかったし、かといって、同情もしていなかった。つまらない、というのが、実際、彼のありのままの気持だった。
「でも、橋の上だよ、危いぜ。」
「恭ちゃんはすぐ泣くんだから、危いことなんかあるもんか。」
彼は、持っていた棒切れを墓石の上にのせ、射撃をする真似をしながら、そう言って取りあわなかった。
「でも行ってみよう。面白いや。」
戦争ごっこの仲間の一人が言った。二三人がすぐそれに賛成した。
「誰だい、いじめているのは。」
次郎は、相変らず射撃の真似をしながら、落ちついて訊ねた。
「二人だよ?」
「二人?」
次郎は射撃の真似をやめて、ふり向いた。
「そうだい、だから恭ちゃん、かわいそうだい。」
「おい、みんな行こう。」
次郎は何と思ったか、今度は自分から、みんなの先頭に立って走り出した。
村はずれから学校に通ずる道路の中程に、土橋がかかっている。その橋の上に、恭一をはさんで、前後に二人の子供が立っていた。次郎の一隊は、橋の五六間手前まで行くと、言い合わしたように立止まって、そこから三人の様子を眺めた。