Classici giapponesi con furigana
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じろうものがたり
次郎物語
下村 湖人
Leggi 次郎物語 (じろうものがたり) di 下村 湖人 (しもむらこじん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 159.223 caratteri · 320 schermate
あとがき
彼のほんとうの生活は、実はこれから始まるであろう。彼の家庭生活や学校生活はどう変って行くか。異性との交渉はどうなるか。そして、結局この大きな社会と彼はどう取っくみあって行くか。これらを詳しく物語りたいのは、筆者の心からの願いである。しかし、次郎は今母に死別したばかりである。彼のこれからの生活を知っているものは神様だけしかない。で、もし何年か、何十年かの後に、この物語を読んだ誰かが、幸にして次郎と相識る機会を得、そして彼の生活に興味を覚えるとしたら、恐らくその人がこの物語のつづきを書いてくれるであろう。
あとがき
私は、これまでに、何冊かの本を書いたが、もし、一生のうちに一冊だけしか本が書けないものだとしたら、私は恐らくその一冊にこの「次郎物語」を選んだであろう。それほど私はこの本が書いてみたかったし、書いて置かなければならないような気がしていたのである。
なぜか、とむきになってたずねられると、答えに困る。困るというのは答えられないからではない。答えたくないからである。答はこの物語の中に書いてあることだけでもう十分だし、それ以上に何か言えば、それは理窟になって、私の気持からは、かなり遠いものになってしまうからである。