Classici giapponesi con furigana
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しゅくず
現代日本文学館8 徳田秋声
徳田 秋声
Leggi 現代日本文学館8 徳田秋声 (しゅくず) di 徳田 秋声 (とくだしゅうせい) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 327.364 caratteri · 638 schermate
四
「お手紙ありがとう。」
「いいえ。」
紙にくるんだ夏蜜柑にバナナを、女中が受け取ると、やがて三人で山荘の方へ歩き出した。
「お兄さまそう心配じゃないんですけど……多分この一ト冬我慢すればいいんでしょうと思います。」
「そうですか。すぐ行ってみようかと、実は思ったけれど、興奮するといけないと思って。」
「何ですか来てほしいようなことを言うんですの。それでお手紙差し上げましたの。」
聞いてみると、故郁子の姉の子加世子には従兄の画家隆も来ているらしかった。
四
雨がぽつりぽつり落ちて来たので、三人は石高な道を急いで宿へ帰って来た。
ちょうど入笠山あたりのハイキングから帰って来たらしい、加世子の従兄と登山仲間の友人とが、裏の井戸端で体をふいているところだったが、加世子が見つけて、縁端へ出て言葉を交している工合が、どうもそうらしいので、均平も何か照れくさい感じでそのまま女中の案内で二階の加世子の部屋へ通った。
部屋はたっぷりした八畳で、建具ががたがたで畳も汚かったが、見晴らしのいいので助かっていた。床脇の棚のところに、加世子のスウツケースや風呂敷包があり、不断着が衣紋竹にかかっており、荒く絵具をなすりつけた小さい絵も床脇の壁に立てかけてあった。