Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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すさのおのみこと

素戔嗚尊

芥川 竜之介

Leggi 素戔嗚尊 (すさのおのみこと) di Akutagawa Ryūnosuke (芥川 竜之介) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 42.917 caratteri · 86 schermate

Aozora Bunko

十

「どうしたのだ。」と声をかけた。

その男は彼の顔を見ると、まるで百万の味方にでも遭ったように、嬉しそうに眼を輝かせながら、相手の若者たちの理不尽な事を滔々と早口にしゃべり出した。何でもその言葉によると、彼等はその男を憎むあまり、彼の飼っている牛馬をも傷けたり虐めたりするらしかった。彼はそう云う不平を鳴す間も、時々相手を睨みつけて、

「逃げるなよ。今に返報をしてやるから。」などと、素戔嗚の勇力を笠に着た、横柄な文句を並べたりした。

十

素戔嗚は彼の不平を聞き流してから、相手の若者たちの方を向いて、野蛮な彼にも似合わない、調停の言葉を述べようとした。するとその刹那に彼の崇拝者は、よくよく口惜しさに堪え兼ねたのか、いきなり近くにいた若者に飛びかかると、したたかその頬を打ちのめした。打たれた若者はよろめきながら、すぐにまた相手へ掴みかかった。

「待て。こら、待てと云ったら待たないか。」

こう叱りながら素戔嗚は、無理に二人を引き離そうとした。ところが打たれた若者は、彼に腕を掴まれると、血迷った眼を嗔らせながら、今度は彼へ獅噛みついて来た。と同時に彼の崇拝者は、腰にさした鞭をふりかざして、まるで気でも違ったように、やはり口論の相手だった若者たちの中へ飛びこんだ。