Classici giapponesi con furigana
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とらのきば
虎の牙/透明怪人
江戸川 乱歩
Leggi 虎の牙/透明怪人 (とらのきば) di 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) in giapponese con furigana. JLPT N3. Tocca una parola per il significato.
N3 · intermedio · kanji e kana moderni · 193.761 caratteri · 388 schermate
「ワハハハハハハハハ。」
怪人は、さもおかしそうに、笑いだしました。文代さんの顔色を見て、もうごまかしてもだめだと、さとったからです。
「見やぶられたね。きみのよく知っている男さ。怪人二十面相、世間ではおれのことを、そう呼んでいる。ハハハハハハハ、明智はあるところへ、かんきんしてある。もう二度ときみにも、あえないだろうね。」
文代さんはヨロヨロと立ちあがりました。そして、戸口のほうへ行こうとしたのですが、どうしたのか、歩く力もなく、べつのイスにたおれてしまいました。
「おくさん、もうだめだ。逃げようとしても、からだがいうことをきかない。くすりのせいだよ。いまの紅茶に麻酔薬を入れたのさ、マア、そこにじっとしておいで。ぼくが自動車まで、はこんであげるからね。」
二十面相はにくにくしげに言うと、ウーンと両手をあげて、大きなあくびをしました。
「さて、出発するとなると、着がえを一、二枚持っていかなけりゃなるまい。洋服だんすは、ここだったね。」
部屋の一方に、かんのんびらきの押入れがあって、その中が洋服かけになっているのです。二十面相はそういうことまで、ちゃんと知っていました。