Classici giapponesi con furigana
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とらのきば
虎の牙/透明怪人
江戸川 乱歩
Leggi 虎の牙/透明怪人 (とらのきば) di 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) in giapponese con furigana. JLPT N3. Tocca una parola per il significato.
N3 · intermedio · kanji e kana moderni · 193.761 caratteri · 388 schermate
見わたすかぎり、人家はなく戦災で焼けた大きなかれ木が、まだニョキニョキと立っていて、遠くの、にぎやかな町の空あかりの前に、そのかれ木のむれが、ボーッと浮きあがっています。
怪人物が自動車をおりて、どこかへあるきだしたので、見うしなってはたいへんと、大友君も、屋根の上から、ソッと、すべりおりると、地面にひれふして、ようすをうかがいました。
ガガガガ……と、すぐ頭の上で、ひどい音がしたので、びっくりして見あげると、自動車が出発するところでした。怪人の部下の運転手は、用事をすませた車を、どこかの秘密のガレージへ、はこぶのでしょう。見るまに、自動車は、やみのかなたへ消えていきました。
さあ、いよいよ、さいごの尾行です。怪人のすみかは、この広っぱの、どこかにあるのです。それは、いったい、どんな場所でしょうか。大友少年の身辺は、ますます危険になってきました。
見ると、むこうに、高さ十メートルもあるような、いちめんに草のはえたがけが、ズーッとつづいています。怪人はそのがけにむかって、すすんでいくのです。
大友君は、草の上を、はうようにして、怪人のあとをつけました。