Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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とらのきば

虎の牙/透明怪人

江戸川 乱歩

Leggi 虎の牙/透明怪人 (とらのきば) di 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) in giapponese con furigana. JLPT N3. Tocca una parola per il significato.

N3 · intermedio · kanji e kana moderni · 193.761 caratteri · 388 schermate

Aozora Bunko

「きみはもう、人の目に見えない透明人間になったのだよ。きみがいまニコニコ笑っているのか、べそをかいているのか、わしにも見えない。どうだね、さびしいかね。それとも、たのしいかね。きみはきょうから猿飛佐助のように、どんなことだって、できるんだよ。すばらしい透明怪人になったのだよ。さあ、元気をだしたまえ。」

怪老人は、大友君のそばに近づくと、イスごと持ちあげて、大友君を小部屋のそとに、つれだしました。暗い土の廊下です。そこで、手足のなわをほどき、大友君をだきあげて、どこかへはこんでいくのです。

「ちょっとのまのしんぼうだ。きみが空気男のくらしになれるまで、すこし、きゅうくつな思いをしてもらわなければならん。ひょっと、逃げだされでもしたら、たいへんだからね。いま逃げだしたら、きみは透明人間というものに、なれていないから、すぐつかまってしまう。目には見えなくても、からだはあるんだから、一度つかまったら、もうおしまいだよ。だから、きみは、しばらく、ここにはいっているんだ。」

ガチャンと音がして、鉄のこうし戸がひらきました。その前のゆかに、しょくだいがおいてあって、小さなローソクの光が、ぼんやりと、あたりを照らしています。