Classici giapponesi con furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(三)酒屋火事
野村 胡堂
Leggi 銭形平次捕物控(三)酒屋火事 (ぜにがたへいじとりものひかえ) di 野村 胡堂 (のむらこどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 146.725 caratteri · 298 schermate
八
「なアに、たぶん用事もあるだろうという話さ、何と言ったって――」
三助は急に口を緘みました。自分から少し言い過ぎたことに気が付いたのでしょう。
八
その晩子刻(十二時)過ぎ、黒木長者の厳しい土塀、ちょうど人肌地蔵の上のあたりへ、星空を背景にして、屋敷の内側から浮き上がるように攀じ登った者があります。
続いてもう一人。
最初のは大人で、後のは少し小柄なところを見ると、たぶん女か子供でしょう。
二人は塀の上で、しばらく息を入れましたが、やがて、先に登った大きい方が、後から登った小さい方の腰へ、綱かなんかを付けている様子で、塀の上へ踏み跨ったまま、そろそろと繰り下ろし始めました。
これは、思いの外むつかしい作業でしたが、どうやらこうやら無事に済むと、今度は、大きい方が、一丈もあろうと思う塀の上から、猫の子のように軽々と飛降ります。
二人は手を取って、畑道を真っ直ぐに、通りの方へ出ようとすると、
「待て待て」
立ち塞がったのは、言うまでもなく銭形の平次です。
「…………」
二人は物をも言わず、その右と左を大廻りに、サッと飛び抜けようとしたがいけません。平次は小さい方を追うと見せて、実は大きい方の影へむずと組み付きました。