Classici giapponesi con furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(三)酒屋火事
野村 胡堂
Leggi 銭形平次捕物控(三)酒屋火事 (ぜにがたへいじとりものひかえ) di 野村 胡堂 (のむらこどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 146.725 caratteri · 298 schermate
六
宵から子刻前まで、仲吉さんと、私は、――あの、裏の納屋に居りました」
「証拠は?」
「この手紙、――御覧下さい」
お町はとうとう、最後の切札を、帯の間から出したのです。仲吉からお町へ宛てた、逢引の打ち合せ。日も刻限もはっきり書いてある上、最後の十八日の分には、「今夜こそは一生のお別れ、これを最後に、私は京大坂へでも参ります。無理な首尾をしても宵から夜中まで、いつもの場所で逢ってくれるように」とあわれ深く綴ってあるのです。
「これは八丁堀の旦那方にもお目にかけなければなるまいが、いいだろうな。お町さん」
「ハイ」
お町は見る眼もいじらしい萎れようでした。
「気の毒だなア、お町さん。この平次を怨むかも知れないが――その代り、千両箱を背負った化物より、もっと良い聟をお前に世話してやろう。貧乏しながら孝行するなら、両親だっていつまでも愚痴は言うまいよ」
「…………」
平次の言葉は、打って変って温かいものでした。外はシトシトと降る雨。やがて春も近い物の気配です。
六
「親分。仲吉は許されるんですか、本当に」
「本当とも」
「変だね、少し」
「何が変なんだ」
平次とガラッ八は、三村屋の焼跡へ来て、板囲いの中をブラブラ歩きながら、その日も証拠あさりに夢中でした。