Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(三)酒屋火事

野村 胡堂

Leggi 銭形平次捕物控(三)酒屋火事 (ぜにがたへいじとりものひかえ) di 野村 胡堂 (のむらこどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 146.725 caratteri · 298 schermate

Aozora Bunko

五

平次がこの馬鹿馬鹿しい仏罰の夢物語を、どんなに骨を折って打ち壊したことでしょう。撫めたり、すかしたり、脅かしたり、半刻あまりの努力で、漸く法印から聴き出したのは、

――今朝戸を開けると、梶四郎兵衛が両刃の剣に胸を縫われて死んでいた――とたったこれだけのことです。

早速町役人に人を走らせ、両国から小間木善十郎を迎えましたが、梶四郎兵衛は娘と同じ死にようをしているという「事実」以外には、何にも解りません。

五

「親分、すっかり解ったよ」

ガラッ八の八五郎は、その日の夕方、平次の家へ飛込んで来ました。

「洗い上げても、娘のかかり合いじゃ、大した役には立たないかも知れないよ」

平次はなんとなく浮かぬ顔色です。

「そういえば、親父の梶四郎兵衛も殺されたんだそうですね」

「それで腐っているんだよ、――これは思いの外底の深い事かも知れない」

「あの梶四郎兵衛という浪人者は、――敵持ちだということですよ」

「何だと、八」

「女敵討だね。あの娘の母親が美しい女で、梶四郎兵衛が若い時、同藩中の朋輩の許嫁だったのを横奪りし、一緒になって十七八年逃げ廻り、あの娘まで生ませたが、五年前肝心の恋女房に死に別れてしまったそうで――」