Classici giapponesi con furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(三)酒屋火事
野村 胡堂
Leggi 銭形平次捕物控(三)酒屋火事 (ぜにがたへいじとりものひかえ) di 野村 胡堂 (のむらこどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 146.725 caratteri · 298 schermate
二
「どりゃ帰ろうか」
平次は離屋から帰って来ました。
「ヘエ紙入。勘定は百二十文、あんまり安いから受取も中へ入れておきましたよ」
「栗飯の受取なんざ、禁呪にもなるめえ」
庭石をトンと踏んで、傾きかけた西陽を浴びると、なるほど女に付け文をされるだけあって平次はまだまだ若くて好い男であります。
「何をニヤニヤしているんだ。帰ろうぜ」
「ヘエ――、姐御がさぞ気が揉めるだろうな」
「何だと」
「なに、こっちのことで」
二人は肩を並べて、神田へ向いました。
二
その頃ガラッ八は、向柳原の叔母の家に泊り込んでおりました。無人で困るからと言う叔母の願いを叶えてやる積りの八五郎。
いつまでも独りじゃあるまいから、嫁を持たせる支度に、夜の物や、折々の着物も一と通り揃えさせてやりたいというのが叔母の下心だったのです。
その日ガラッ八の八五郎が平次のところで、遅い晩飯を済ませて、フラリと柳原土手を帰って来たのは戌刻(八時)過ぎ、人通りのハタと絶えたところへ来ると、いきなり闇の中から飛出して、ドカンと突き当ったものがあります。
「気を付けろ、間抜け奴」
一人前の啖呵を浴びせて、黙って飛んで行く男の後ろ姿を見ていると、後ろからもう一人。