Classici giapponesi con furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(九)不死の霊薬
野村 胡堂
Leggi 銭形平次捕物控(九)不死の霊薬 (ぜにがたへいじとりものひかえ) di 野村 胡堂 (のむらこどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 144.106 caratteri · 292 schermate
家を出て駕籠へ乗せるまで、仲人は花嫁から手を離さず、伊勢直への道中は、時節柄出入りの頭や職人に頼んで厳重に守らせ、駕籠を下りると、仲人の外に、多勢の人垣を作って送り込んだのですから、途中で掏り替えられるはずは万に一つもありません。
その上、何ということでしょう。この晩は双方から頼み込まれて、特に銭形の平次が乗り出し、宵から嫁の姿を見張って一刻も綿帽子から眼を離さなかったのです。
嫁のお辰は、里方の染物屋にいるうちに替えられたに相違ありませんが、それが、どこで、どうして入れ替ったか、さすがの平次にも、全く見当は付きません。
お辰の代りに、花嫁に仕立てられたのは、どこから来たともなく、二三年この方、神田あたりを彷徨い歩く女乞食のお六、これは、何を訊いても一向取り止めのない始末です。
「お前はどこから――誰が連れて来たんだ、言わないか」
「言わないよ」
「言わなきゃア打つよ、呆れた馬鹿だ」
寄ってたかって責めると、
「黙っていさえすれば、伊勢直の若旦那のお嫁にするって言われたんだ、言うもんか」
この調子では全く手が付けられません。
もっとも、評判娘のお辰とは似も付かぬ容貌で、年も三十は幾つか越したでしょう。