Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

ja-reading.com

Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.

ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(九)不死の霊薬

野村 胡堂

Leggi 銭形平次捕物控(九)不死の霊薬 (ぜにがたへいじとりものひかえ) di 野村 胡堂 (のむらこどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 144.106 caratteri · 292 schermate

Aozora Bunko

三

提灯に明りを入れると、お礼も一緒に外へ出ました。

「家は?」

「でも」

お礼は淋しさと心細さに、もうたった一人の留守居は我慢が出来なかったのでした。

どこを捜す当てもありません。が、一番先に提灯を持った小僧の長吉、続いて疑惑に打ちひしがれたお礼、最後は頼母し気な長身の佐々波金十郎、この一と組は、お礼の心覚えを辿って、父親の後ろ姿の消えたという島町の方へ――、三味線堀の方へと辿りました。

三

「あれは?」

長吉の指す方、三味線堀に沿う少しばかりの空地を見ると人間と提灯とが右往左往に入り乱れて、引千切ったような人声が、夜の街の静寂を破っております。

「行ってみよう」

手を取らぬばかりに近づいてみると、三味線堀のほとり、転軫橋寄りの空地に、人間が一人斬り殺されているではありませんか。

「あッ、父上様」

灯の中に浮いた白髪頭、血潮の中に浸る袷の柄などを一と目見ると、お礼はよろよろとなりました。

「お礼どの、確りするのだ」

後ろから支えた金十郎、その若い胸の中に抱きすくめられるように凭れると、お礼はハッと正気を取戻し、

「…………」

崩折れるように、父の死骸に取縋ったのです。