Classici giapponesi con furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(九)不死の霊薬
野村 胡堂
Leggi 銭形平次捕物控(九)不死の霊薬 (ぜにがたへいじとりものひかえ) di 野村 胡堂 (のむらこどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 144.106 caratteri · 292 schermate
銭形平次捕物控
一
本篇もまた、平次の独身もの。許嫁の美しくて純情なお静が平次のために喜んで死地に赴きます。
一
「やい、八」
「何です、親分」
「ちょいと顔を貸しな」
「へ、へ、へッ、こんな面でもよかったら、存分に使って下せえ」
「気取るなよ、どうせ身代りの贋首ってえ面じゃねえ、顔と言ったのは言葉の綾だ。本当のところは、手前の足が借りてえ」
捕物の名人と謳われるくせに、滅多に人を縛ったことのない御用聞の銭形の平次は、日向でとぐろを巻いている子分のガラッ八にこんな調子で話しかけました。
松は過ぎましたが、妙に生暖かいせいか、まだ江戸の街にも屠蘇の酔いが残っているような昼下がり、中年者の客を送り出すと、平次はすぐ縁側へ廻って、ガラッ八を居睡りから呼び起したのです。
「ヘエ――、どこへ飛んで行きゃアいいんで――」
「今の話を聞いたろう、あの客が長々と話し込んだ――」
「いいえ」
「聞かねえ?」
「人の話なんか聞きゃしませんよ、そんなさもしい八さんじゃねえ」
「いい心掛けだ、――と言いてえが、実は居睡りをしていたんだろう」
「まアそんなところで、――何しろ日向は暖けえし、懐は涼しいし、凝としていりゃ、睡くなるばかりで――」