Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(九)不死の霊薬
野村 胡堂
Leggi 銭形平次捕物控(九)不死の霊薬 (ぜにがたへいじとりものひかえ) di 野村 胡堂 (のむらこどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 144.106 caratteri · 292 schermate
言うまでもなく穴から落ちる機みに、運よく麻縄を探り当てた笹野新三郎、無我夢中で獅噛み付きましたが、身体に落ちる勢いが付いていたので、両手の掌をひどく擦り剥いたために、麻縄を掴むには掴んだものの、手繰って上がることが出来ません。
歯を喰い縛って辛くも身体を支えているうちに、上から射した蝋燭の光で、自分をこの九死の境に陥れたのは、臆病者の勇吉だとはわかりましたが、下の舟に居る相棒がわかりません。
その顔を見るつもりで、大骨折りで身体をねじ曲げると、最初に眼に映ったのは、舟の中の曲者ではなくて、自分の足の下、同じ麻縄に縛られて、宙にブラ下がっている、倅新太郎とお静の浅ましい姿です。
「あッ、新太郎。――お静も」
と言ったが、どうすることも出来ません。
上の勇吉は早くもそれに気が付いたか、
「旦那、気が付きなすったかい。父子主従三人一緒に死ぬのも因縁事だ。へッへッ、かえってあきらめが付いてようがしょう」
憎々しくも歯を剥きます。
「勇吉、お前は何だってこんな事をするんだ。随分目をかけて使ってやったはずだが、何の怨みでこんな非道なことをする――、俺を怨むのはともかく、罪も科もない新太郎やお静をこんな目にあわせて済むと思うか――」