Classici giapponesi con furigana
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おうごんかめん
黄金仮面
江戸川 乱歩
Leggi 黄金仮面 (おうごんかめん) di 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 143.357 caratteri · 287 schermate
やっぱり夢を見ていたのかしらと疑いながら、徐々に目を移して行ったが、ひょいと、例の天鵞絨のカーテンを眺めると、突如、地獄の底からの様な、何とも云えぬ恐ろしい悲鳴が、部屋中に響き渡った。
アア、何ということだ。あいつは、朝の光を恐れもせず、絹枝さんの挙動を監視する様に、同じカーテンの隙間から、ギラギラ光る顔で、じっとこちらを睨んでいたではないか。
黄金仮面は、その不気味な顔に、ニタニタと異様な笑いをたたえて、徐々にベッドの方へ近づいて来るかと見えた。彼奴は、仏像を盗んだばかりで満足せず、もっと恐ろしい慾望を抱いていたのではないだろうか。
絹枝さんは、絞め殺される様な、恐ろしい悲鳴を上げて、毛布を引かぶり、身を縮めて、ガタガタと震えていた。
今にも、アア今にもあの怪物が、毛布の上からのしかかって来るのではあるまいか。と思うともう生きた心地もなかった。
毛布の上から、近々と頭を寄せた黄金仮面の呼吸の音さえ聞える様な気がした。
もう心臓は破れ相だ。
と案の定、巨人の様な手の平が、毛布ごと、グッと彼女の肩を掴んだ。
「ゲッ」という様な何ともかとも形容の出来ない、物凄い悲鳴が、再び絹枝の口をほとばしった。