Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
おうごんかめん
黄金仮面
江戸川 乱歩
Leggi 黄金仮面 (おうごんかめん) di 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 143.357 caratteri · 287 schermate
金色の錯覚
ギョッとして、顔を上げると、アアよかった。そこに立っていたのは、いとしの黄金仮面! 恋人は無事に帰って来たのだ。と彼女は信じた。
黄金仮面は無言のまま、不二子の手を取って、部屋の外へ、それから暗闇の階段を地上へと昇って行った。不二子はそれが何を意味するかを知らなかった。ただ、恋人の意志のままに、夢心地で、そのあとに従って行くばかりだ。
金色の錯覚
黄金仮面は、無言のままなぜか惶しく不二子さんの手を引いて、地上へと階段を昇り、走る様に廊下を通って、玄関から、門外へと出た。
門の側に、ヘッドライトを消した一台の自動車が待っていた。
「いつの間に、車の用意などして置いたのかしら」
と疑う隙もなく、黄金仮面の力強い腕が、不二子さんを車内へと押し込め、運転手に何か囁くと、彼は飛込む様に、令嬢の隣へ腰をおろした。
パッと光るヘッドライト。広い原っぱの遙か向うの枯木の枝が、闇にボンヤリ浮き出した。と同時に、デコボコ道を、車は矢の様に走り出す。アア助かった。もう大丈夫だ。
「私、怖かったわ」
不二子さんは、甘える様に云って、車の動揺につれて、黄金仮面の膝に凭れかかったが、凭れたかと思うと、びっくりした様に、ヒョイと起き直った。