Classici giapponesi con furigana
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おうごんかめん
黄金仮面
江戸川 乱歩
Leggi 黄金仮面 (おうごんかめん) di 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 143.357 caratteri · 287 schermate
責めようとて責める相手がないのだ。それに引かえ、怪盗ルパンは生きている。生きて、どこかの隅から警察の狼狽をあざ笑っている。老美術家の悪心を巧みに利用し、労せずして国宝を我が物とした、かれルパンこそ憎みても余りある兇賊だ。
「だが、それにしても、君はどうしてそれを推察したのだ。密室に隠してあった品物が玉虫の厨子であることを知ったのだ。僕には、その方が賊の手品よりも一層不思議に思われるのだが」
波越警部がふとそこへ気附いて、妙な顔をして尋ねた。
「ウン、それは何でもないのさ」
明智は事もなげに説明した。
「この紙切れに種があるのだよ。例の密室を開く記号の上に、三行ばかりフランス語の文句が書きつけてある。ホラ、これだ」
彼はその紙片をテーブルの上に拡げて見せた。
「訳すると、こんな風になる。『今夜、かの仏陀の聖堂を運び出せ。手段は予め定めた如くせよ。聖堂は例によって白き巨人に届けよ』というのだ。仏陀の聖堂というのはつまり寺院のことだが、寺院を運び出せというのは如何にも変だ。寺院なんて大きなものが運び出せる訳がない。僕は最初は、何かの隠語だろうと思っていた。ところが、さっき密室の床で、妙な漆のかけらみたいなものを見つけた。