Classici giapponesi con furigana
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おうごんかめん
黄金仮面
江戸川 乱歩
Leggi 黄金仮面 (おうごんかめん) di 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 143.357 caratteri · 287 schermate
と、見ると、何だか、その全体が、モクモクと身動きをしている様に思われて来る。
追手の怖さとは、全く別の恐怖が、彼女の背筋を這い上った。見渡す限り、怪奇な仏像や仏画の幽冥界、その片隅で、虫の食った何百年前の小桜縅がドキンドキンと脈打っているのだ。
小雪の黄金仮面は、怖さに吸い寄せられて、鎧武者の顔を覗いた。錣の翼を張った兜の下に、赤銅色の頬当てが鬼の口を開いている。その奥に、ボンヤリ見える白いもの。アア、果して人間だ。鎧の中には本当の人間が這入っていたのだ。
「ギャッ」
と叫んで、小雪が飛びのくと同時に、その鎧が、鎧櫃からヒョイと立上って、物を云った。
「怖がることはない。俺はお前の味方だ」
お化けではない。当り前の人間が、何かの目的で、鎧の中に隠れていたのだ。と分っても、その扮装の不気味さに、小雪はまだ逃げ腰だ。
「あなたは、誰です。誰です」
「名前を云ったところでお前は知るまい。俺は首領の云いつけで、昨夜からこの鎧武者に化けていたのだ。何の目的? そんなことを喋っている暇はない。お前を救わなければならぬ。お前を助けるのも、やっぱり首領の為なのだ。サア、逃げ道はちゃんと作ってある。