Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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おうごんかめん

黄金仮面

江戸川 乱歩

Leggi 黄金仮面 (おうごんかめん) di 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 143.357 caratteri · 287 schermate

Aozora Bunko

念の為に賊の風体を云って尋ねると、その小父さんなら、さっきここを通ったとの答えだ。

山角を曲り曲り、又二三町走ると、アアいたいた。遙か向うを、トットと急いで行く、漁師体の男、着物の縞柄から脊格好から頬冠りの手拭まで、さっきの曲者に相違ない。

「相手に悟られては面倒だ。Cまで脇にそれる道はないのだから、あせることはない。見え隠れにつけて行こう」

波越氏は小声で、はやる刑事達を制した。

「僕は腹が痛くなって来た。とても歩けない。すまないがあとはよろしくやってくれ給え」

明智が突然妙なことを云い出した。

「そいつは困ったね。大丈夫かね。さっきの舟の所まで歩けるかね」

「ウン、その位のことは大丈夫だ。あすこには僕等の為に、賊の乗ったモーターボートが残してある筈だ。君達はどうせCまで尾行するのだから、僕はあいつを拝借して侯爵邸へ帰ることにする」

「そうか。じゃあ大切にし給え。賊はきっと捕縛して、吉報をもたらすから」

一行は明智を残して前進を続けた。

途中の詳細を記していては退屈だ。結局波越警部の一隊は、賊をCの自動車発着所へ追い込んだ。もう逮捕したも同然である。

賊は発着所の薄暗い隅っこに、小さくなって腰かけ、通行の人々に顔を見せまいと、鼻の頭が膝につく程うつむいている。