Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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おうごんかめん

黄金仮面

江戸川 乱歩

Leggi 黄金仮面 (おうごんかめん) di 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 143.357 caratteri · 287 schermate

Aozora Bunko

書きながら、刺す様な目つきで、じっと老人の表情を注視した。

彼が書いた文字というのは、ある人物の名前であったが、若し読者諸君がその場に居合わせたならば、その人名の余りの意外さ、突飛さに、アッと驚きの叫声を立てたであろう程、実に非常な人物の名前であった。

では、彼は一体誰の名を記したのか。それはお話が進むにつれて、間もなく分って来るのだが、このことは明智が当時已に、黄金仮面の正体が何者であるかを悟っていたという、驚くべき事実を裏書きするものであった。

老人は明かに明智の落書を見た。彼が果して賊の一味であったら、その文字を見て顔色を動かさぬ筈はないのだ。ところが、彼はそれを読んでも、平気なばかりか、却って明智が呑気相にいたずら書きをしているのを責める様な面持である。

「サア、どうかお話し下さい。私はもう充分あなたを御信用申しているのです」

明智がうながすと、老人はやっと要点に話を進めたが、老人の話し振りをそのまま書いたのでは、少々退屈だから、その大意丈けを左に記すことにする。

大鳥喜三郎氏には、息子さんの外に二人の令嬢があった。姉の不二子さんは今年二十二歳、仲々の才媛で、内地の女学校を卒業した上、外交官の伯父さんの監督で、二年程欧洲へ勉強に行っていたこともある位、類なき美貌の上にこの閲歴だから、所謂社交界の花