Classici giapponesi con furigana
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のぶこ
伸子
宮本 百合子
Leggi 伸子 (のぶこ) di 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 232.543 caratteri · 466 schermate
伸子は仕方がないから、呑気らしく云った。それが多計代を不快にした。彼女は、
「お前がた同士は、それでもよかろう、どうせ万事普通と違うのだから――」
パタンと環を鳴らして箪笥をしめた。
「けれども、私はこの間から考えているんだが、人並はずれたことが必ず正しいこととは定っていないからね。奇ばかり衒うのははたの迷惑だよ」
「奇なんぞ衒っていやしないわ。ただ母様と私と性質も違うし、ものの考えようも違うというだけじゃないの」
「じゃあお前は一から十まで自分のすることは正しいと信じているのかえ」
予想もつかないことから、こういう感情的な議論になることが多かった。伸子も初めは、いつも節度を保とうと努めた。けれども、多計代の熾烈な、対手を容赦しない性格は、最後には伸子をも、むきにさせずに置かなかった。むきになると、伸子も母同様、屈しない激しい生れつきをあらわすのであった。
一月下旬のある日のことであった。
小さなことから、また話が激してきた。伸子はほとんど困惑して云った。
「私が帰ってから、同じことばっかり繰り返しているようなもんだわ。――もうやめましょうよ、ね。……私、母様のお志はよく判っています。