Classici giapponesi con furigana
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のぶこ
伸子
宮本 百合子
Leggi 伸子 (のぶこ) di 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 232.543 caratteri · 466 schermate
「母様は、ちっとも私の心持がわかっていらっしゃらないのよ。あんなに云ったじゃありませんか、母様たちとは根本的に目的の違う生活をする積りだって――それに、佐々なんて、大きい目から見たら、やっぱり何処の誰だか判りもしない名の一つよ。佐々が通用する中だけ、母様なんか動いていらっしゃるからだけれど……」
「どうせ、そりゃ私は狭い生活しか知らないよ。だがね、事実が、今度の場合だって証明しているよ」
「――そうならなお、私いやよ」
「まあ、あのひとによく話して御覧」
多計代は、皮肉に笑った。
「お前はいやでも、佃はいいと云うだろう」
その事について、伸子は佃に一言も話さなかった。
数日経った夜、佃もそこに居合せた縁側で、多計代が突然、その問題を再び取り上げた。
「どうだい――この間の話、勿論佃さんにもしたんだろうね」
伸子は不機嫌に、
「しないわ」
と答えた。
「…………」
佃が傍から訊いた。
「何です?」
「――……」
すると、多計代が、
「いろいろ将来のことについてね、私達がいつまでついていられるものでもないから、お父さんとも相談したことがあるんですが――仕様がないじゃないか、伸ちゃん」