Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
けんのよんくんし
剣の四君子・日本名婦伝
吉川 英治
Leggi 剣の四君子・日本名婦伝 (けんのよんくんし) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 150.635 caratteri · 306 schermate
賊軍のまわし者と信じたのである。軍曹もすぐどこかへ駈けて行った。と思うと、一挺のスナイドル銃を持って、大手の坂道を駈け降りていた。
参謀室の地図の面に、白い息を見せて、静かに協議していた人々は、ふと、蝋燭の光から顔をそむけて、
「おっ、小銃の音が?」
と、耳をすました。
どこかで一発の銃声はたしかにしたようだったが、それ限りもとの静寂に返った。
「……この際です、見て来ましょう」
与倉中佐は出て行った。
小銃一発といえ、鎮台の全神経は忽ち沸いていた。中佐の眼には、駈け集まった大勢の兵に擁せられて、昂奮しながら坂を上がって来た岡本軍曹の影が見えた。
「今の小銃はどこで撃ったのだ。賊兵か、鎮台の者か」
「わたくしが撃ちました」
岡本軍曹は、毅然と前へ出て、小使の弁蔵を間諜と認めたという理由を陳べていた。
七
谷玖満子夫人は、夕方誘い合せた人々が、無事に鎮台へはいったのを見届けると、またわが家の方へ引っ返して、それから約二時間も経ってからただ一人で再び熊本城の丘を登って行った。
飯田丸の下まで来ると、小銃の音が聞えた。べつに心にかけなかったが、少し行くと、石段の下に倒れている人影があった。