Classici giapponesi con furigana
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こじきものがたり
古事記物語
鈴木 三重吉
Leggi 古事記物語 (こじきものがたり) di 鈴木 三重吉 (すずきみえきち) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 96.723 caratteri · 191 schermate
そしてご自分自身は、粗末なぬのの着物をめし、いやしい船頭のようにじょうずにお姿をお変えになって、かじを握って、その船の中に待ち受けておいでになりました。
すると大山守命は、おひきつれになった兵士を、こっそりそこいらへ隠れさせておおきになり、ご自分は、よろいの上へ、さりげなく、ただのお召物をめして、お一人で川の岸へ出ておいでになりました。
するとそちらの山の上にりっぱな絹のとばりなどが張りつらねてあるのがすぐにお目にとまりました。
命はそのとばりの中にいかめしくいすにかけている人を、若郎子だと思いこんでおしまいになりました。それでさっそくその船にお乗りになって、向こうへおわたりになりかけました。
命は船頭に向かって、
「おい、あすこの山に大きなておいじしがいるという話だが、ひとつそのししをとりたいものだね。どうだ、おまえとってくれぬか」とお言いになりました。
船頭の皇子は、
「いえ、それはとてもだめでございます」とお答えになりました。
「なぜだめだ」
「あのししは、これまでいろんな人がとろうとしましたが、どうしてもとれません。ですから、いくらあなたが欲しいとおぼしめしても、とてもだめでございます」