Classici giapponesi con furigana
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おおおかえちぜん
大岡越前
吉川 英治
Leggi 大岡越前 (おおおかえちぜん) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 218.436 caratteri · 437 schermate
えらいこッてすなあ、どうも」
「やりましたなあ、とうとう。ウーム、どうも、何ともいいようがねえ。胸がいっぱいになっちまった。そういえば、夢かな、と思ったが、ゆうべの太鼓は、その陣太鼓だったのか」
「うそをおつきなさい。松坂町からこんな所まで聞えるもんかね。あれや、こんにゃく島の火事さ」
「そうか。……まだ通りませんか。道すじは、どう来るんで?」
「何でも、きょうは柳営の御礼日にあたるとかッてんで、両国橋は通れないので、本所一ツ目から深川へ入り、お船蔵前から永代橋を渡って、次に、稲荷橋、湊町、南八丁堀――と、こういう道順に来るってんだ」
「たいそう詳しいねえ。まだ、通っても来ねえ道順を。まさか、おめえさんは、大石内蔵助の親類でもあるめえが」
「なアに。夜明け方、自身番の六兵衛さんに、こうこうだと、早耳に聞いたから、それッ行って見ろってンで、経師屋の安さんや棟梁の吉さんなんかと、松坂町のすぐそばの回向院前まで行って見て来たんだ。だから、朝飯もまだ喰ッちゃあいねえ」
「道理で……。今にここを通るんじゃ、おれたちも、飯どころじゃあねえ」
お島と市十郎は、近所のそんな声々を、ちぎれちぎれに聞きながら、二階の窓に、姿をならべて立っていた。